物流の歴史は自動化の歴史でもあります。蒸気機関車からフォークリフト、そして今日のロボットによるピッキングや梱包にいたるまで、テクノロジーの進化が物流業界の進化に大きな役割を果たしてきたとも言えます。 

データ入力の自動化を加速し優先している企業もありますが、一部の物流企業はまだ本格的に取り組んでおらず、多大なコストがかかっている可能性があります。  

「物理的なペーパーワークや手動によるデータ入力に依存していると、特に、ロックダウンの混乱を乗り切ったり、時間に制約のある貨物を管理したりする場合には、時間とコストがかかる可能性があります」と、WiseTech Globalのグローバル・ビジネスデベロップメント・アナリストであるDarren Matthews氏は述べています。  

「業界全体で非常に多くの混乱が続いているため、デジタルトランスフォーメーションへの取り組みは物流企業の優先事項となっています。従来の手作業による処理を廃止して、イノベーションを開花させるテクノロジーと自動化に置き換えるには、今が真に理想的な時なのです」。   

手動によるデータ入力作業は厄介  

物流プロバイダーは、スキャンした船荷証券(B/L)から請求書、AWB(航空貨物運送状)、その他の書類にいたるまで、信じられないほど大量かつ全く異なるデジタル化されていないデータを管理しなければなりません。 

あらゆる労働集約的な作業と同様に、手動データ入力に依存し続ける企業にはリスクが伴います。そして多くの場合、やり直しの作業や重複、さらにはコンプライアンス違反に対する罰金が発生する可能性さえあります。  

「不正確なデータ入力が物流業務の中で最も高くつくミスの1つであると多くの企業が述べています」とMatthews氏は言います。「その理由は、特に言語、法律、そしてローカリゼーションの違いに直面している場合は、エラーが発生する可能性が非常に高いからです」。 

しかも重大なエラーのリスクだけではありません。Matthews氏によると、手動プロセスでは、プロバイダーは完全かつ信頼できる情報が不足するため、業務の拡大が容易ではありません。 

「さまざまなオフィスで書類が整理・保管され、関連データを見つけるためには精査しなければならないため、時間がかかり、経費が増える可能性もあります。特に、物流プロバイダーが大量の取引を実行しようとしている場合は、解決が難しい可能性のあるいくつかの問題が生じます。 

手動データ入力における効率の限界  

WiseTech GlobalのAirline Connectivity(航空会社接続担当)部長であるScott McCorquodale氏、AWBを手作業で記入してからコンピュータシステムに転写していた日々を懐かしむ一方で、それらが一般に過去のものとなったことを喜んでいます。 

「航空貨物業界は歴史的に紙の書類で作業をしてきました。そしてそれが多くの非効率の一因となっていました。しかし近年ではすべてが変わり、多くの航空会社がデジタルトランスフォーメーションのプロジェクトを確固として優先するようになりました」。 

McCorquodale氏によると、多くの航空会社がフォワーダーに対し、手動プロセスを完全に廃止して、 航空会社のWebサイト、業界ポータル、またはCargoWiseのようなフォワーダーのOS(オペレーティングシステム)を介してのいずれかで 航空貨物スペースを電子的に予約するよう求めています。 

「eブッキングに移行しないフォワーダーが考慮すべき1つのこととして、一部の航空会社は手作業による予約に対して追加料金を適用することになったことがあります」とMcCorquodale氏は話します。「しかも、電話やEメールなどの従来型の通信方法に依存している既存の予約プロセスは、今日では明らかに非効率であり、単に電子的方法に移行する必要があることも否定できません。そうしないと取り残される危険があります」。 

手動データ入力における生産性の停滞  

WiseTech GlobalのLogistics Data and Ocean Connectivity(物流データおよび海上貨物接続部門)の地域バイスプレジデントであるAshley Skaanild氏は、 こうした効率性の懸念に同意し、テクノロジーが非常に強力である一方で、物流プロバイダーは全く異種のソフトウェアや、安全性が劣っているソフトウェアを多用し過ぎることを用心すべきであると話します。 

同氏によると、一部の中小企業は特定の顧客ニーズに対応するデジタル製品を立ち上げていますが、多くの場合、限られたサプライチェーンのセグメントだけに焦点を当てています。結果として、荷送人、キャリアまたはフォワーダーは複数のソリューションを組み合わせる必要があるため、費用が高くつき、相当なリスクが伴う可能性があると言うのです。 

例えば、 これらの異なるシステムやオペレーターの間でデータを手動で入力したり転送したりするには時間がかかり、情報が再入力されるたびにエラーが発生する可能性が高まります。さらに、組織全体で仕事の可視性を維持することはほぼ不可能になり、その結果、作業の二重処理が発生し、顧客満足度に影響を与える可能性があります。 

「明らかですが、複数のシステム手段を採用すると、エラーやサイバーリスクが発生する可能性が高くなります。それに対し、例えばデータを 1つのエンドツーエンドの物流プラットフォームに入力すれば、 複数のキャリアに対して情報をシームレスに伝えることができます」と同氏は述べます。  

高速データ入力への移行を促進するテクノロジー  

A地点からB地点に商品を送るのに必要なデータが膨大で複雑であることは否定できません。その結果、物流業界では、サプライチェーン全体のプロセスを自動化するために設計された機械学習および自然言語処理の台頭が見られました。 

Matthews氏によると、このテクノロジーは 当社の高度な統合型グローバル物流プラットフォームである CargoWiseに使用されており、多くの企業が、より自動化されたペーパーレスで生産性の高い環境に移行することに役立っています。 

「当社が行っていることは基本的に、面倒でエラーが発生しやすいデータ入力作業の多くを排除し、手間がかからない、はるかに効率的な作業に変えることです」。  

「重要なことに、当社ではシステムにデータを取得したら、例外およびプロセスのワークフロー管理と並んで関係モデルと検索モデルも追加して、お客さまが今必要としているものを見つけて集中できるようにし、不要な情報を削減しています」と同氏は述べています。  

これらのインテリジェントな自動化と、プロバイダー全体にわたって整理、集約、そして標準化されたデータによって、フォワーダーは迅速に対応し、タイムリーな意思決定を行うことができる、とMcCorquodale氏は考えます。 

「特に航空貨物に関しては、このことが業界団体全体で、特にIATA(国際航空運送協会)により、長年にわたって推進されてきました。実際、CargoWiseなどの多くの物流プラットフォームは既にこれらのデジタル化の取り組みをサポートしており、 IATAのワンレコードのような新しいプロジェクトに合わせて強化されています。 .” 

過去を振り返り、将来のデジタルトランスフォーメーションを推進  

「従来常にやってきた方法」から新しいシステムに変えることには不安がつきものです。データ入力についても同様です。 

しかしながら、手動での データ入力は時間がかかり、費用も高くつきます。高い精度基準を維持するには多くの人材が必要です。また、日々増え続ける書類を扱うフレイト・フォワーダーにとっては、エラーが非常に起こりやすくなり、費用が高くつくのは明らかです。 

「データ入力を自動化するとすべてが迅速になります。その上、同時に品質も向上することができます」とMatthews氏は締めくくっています。 

「24時間365日、スピードと精度が向上するという利点が得られ、スタッフはより価値の高い仕事に集中できるようになります。しかし、最終的には、それは企業を真の長期的な成功に導く、より一貫した方法でもあります」。 


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