私は20年以上物流に携わってきましたが、取締役会レベル以下の業界の会合でデジタル化と可視性がこれほど議題の中心となったことはないと言っても過言ではないと思います。

パンデミックにより、かつては完了するのに何年もかかっていたデジタルトランスフォーメーションプロジェクトが優先事項として加速され、既に多くの物流企業がデータを使用して業務を合理化および最適化することからもたらされる莫大なメリットを享受しています。

しかもデータへのアクセスは単なる一要素に過ぎません。このニューノーマルを上手く切り抜け、強力な立場から混乱に対応するには、実用可能な情報が最新である必要があります。そして理想的には、一元管理された単一の物流レコードを介して情報を利用できる必要があります。

サプライチェーンの可視性とは何でしょうか?

サプライチェーンの可視性とは、輸送中の製品や商品を追跡し、すべての在庫とアクティビティ(作業)の明確な表示を提供することを指します。

もっと簡単に言えば、ある本の終わりまで読んで、はらはらさせる結末からひとつページが抜けていると気づいたことを想像してみてください。

サプライチェーンの可視性はそれに似ています: 企業とその顧客はすべての出荷貨物に関する情報を断片的または中途半端に把握しているだけでは業務を効率的に行うことはできません。

可視性が物流業界のバズワード(流行語)になったのはどうしてでしょうか?

悲しいことにコロナウィルスは依然として当面の脅威であり、また数カ国においてロックダウン(都市封鎖)と経済活動の停滞を招いており、パンデミックは私たちの働き方やグローバル・サプライチェーン機能に深刻かつ長期に渡る影響を及ぼし続けています。

例えば、最近の調査1 では、パンデミックが引き金となったオンラインショッピングへの移行は減速しておらず、第一四半期における世界のEコマース売上高は8,760億米ドル(前年比38%増)に達したことが明らかになっています。

私がお客様や他の物流大手から聞いた話では、出荷のライフサイクル(全過程)を可能な限りリアルタイムに近く可視化する必要性が急速に高まっていることが明らかになっています。

それは、企業や個人が同様により速く、より高い透明性をもって、そしてもちろん最も安い価格で商品を求めているためです。実際の所、より少ないコストでより多くの貨物を移動する一方で、より少ない労力でより多くのことを行うことが物流業界にとってこれほど重要になったことはおそらくないでしょう。

可視性を高めることの物流企業にとってのメリットは何でしょうか?

多くの場合、優れた可視性はより強力で機敏なサプライチェーンをもたらします。それは以下のことが理由です:

  1. 可視性が向上すると、次に起こることがはるかに良くわかるため、貨物をより迅速に移動することができます。
  2. 次に起こることがわかっていると、混乱が発生する前にその可能性を低減できます。
  3. 貨物をより迅速に移動し、積極的に脅威を最小限に抑えている場合、カスタマーサービスを向上させることに焦点を置いたより価値の高いプロジェクトに時間をかけることができます。
  4. 特定のサプライチェーンの混乱による影響を遡及的に見て、今後の具体的な影響をより正確に把握することができます。
  5. 最終的に、「急場の処理」方法から強力な立場からの対応に変わり、提示された課題に応じて、さまざまなビジネスポートフォリオに渡る資産とリソースを柔軟に調整することができるようになります。

テクノロジーは企業のエンドツーエンドの可視性をどのように向上させることができるでしょうか?

サプライチェーンの混乱は避けられない生活の一部であり、またリモート勤務が当分継続されることが予想されるため、単一のハブ、プラットフォームまたはデータベース は企業にとって最も簡単なソリューションであるといえます。

具体的には、すべての取引関係者がサプライチェーンを監視し維持するためのポータルを提供しながら、こうしたデータを保持および交換できる1つのシステムです:標準コネクタ、簡単なステータス更新、および1箇所からのグローバルな可視性。

当社の安全で信頼の置けるクラウドベースの物流実行ソフトウェア「CargoWise」は、企業の支店、部門、従業員、業務を1つの高度に統合されたグローバルシステムで結びつけます。

同ソフトウェアで、複数の複雑なシステムを実行する必要がなくなり、最初の見積りおよびブッキングから通関、輸送、フォワーディング、倉庫業務、そしてクライアントへの最終的な請求書発行に至るまで、出荷貨物を迅速かつ正確に処理することができます。

さらに、グローバルに対応可能で生産性の高い物流ソフトウェアへの高まる需要に対応し、企業が迅速かつ正確な判断を行うために必要なデータと可視性を数日ではなく数分で提供します。

例えば:

  1. CargoWiseのモジュール内とすべてのモジュールに渡る統合により、データが他のモジュールにおいても直ぐに利用できるため、データの二重入力がなくなり、機能間でのリアルタイムでのデータアクセスが可能となります。
  2. 地域を越えた統合により、データを地域間で即座に利用でき、30を超える言語と通貨に変換することができます。
  3. 他の顧客とのシステム統合により、顧客とやり取りする物流プロバイダーは双方がCargoWiseで業務を行う際にデータがひとつの統合されたシステムをスムーズに流れるため、生産性を高め、業務の可視性を向上させることができます。
  4. 他のサードパーティ製システムとの統合は、顧客が会社全体にCargoWiseを展開する柔軟性を提供する一方で、彼らが他のシステムや他のベンダーの製品とも統合することを可能にします。
  5. 税関、検疫、税金、食品、医薬品およびその他の政府機関など政府のシステムとの統合により、電子的処理の促進、所要時間の短縮、そして再作業の軽減が促進されます。

CargoWiseで業務全体に渡ってリアルタイムでデータを共有し、可能な限りの作業を自動化することにより、企業とその顧客はサプライチェーンに沿った貨物の移動を容易にするために必要なアクセスと可視性を手に入れることができます。

 

1Adobe Digital Economy Index、2021年4月


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