LEMAN米国のCEOであるChristian Stocker氏は、デジタル化はもはや『あったら便利なもの』ではなく、絶対に必要なものであると語る。

「デジタル化は現在進行しており、今後も発展し続けるため、顧客のニーズに応えたいと考えている物流組織やフレイト・フォワーダーにとっては絶対条件だ」。

LEMAN社にとって、物流業務を単一のグローバルデータベース上に一元化することは、デジタルトランスフォーメーション戦略における重要なステップであった。

1990年に創立し、デンマークに本社を置くLEMAN社は、8カ国にわたって29のオフィスを構える中規模のフレイト・フォワーダーであり、陸・空・海にわたって高度な物流、輸送、製薬ソリューションを世界中の顧客に提供している。

LEMANの支店は長年にわたって複数の輸送管理システム (TMS) で業務を行っており、組織全体の可視性を維持することがますます困難になってきていた。

同社は業務を一元化して合理化するのに役立ち、エンドツーエンドの可視性を提供し、最終的に航空および海上業務をレベルアップできるための物流ソリューションを必要としていた。

「CargoWiseはユーザーからベンダー、顧客に至るまで市場で高い評価を得ている。そのため、市場で最も先進的なTMSである同システムを選択するのは理にかなっていた」とStocker氏は語る。

中国での事業展開

LEMANの野心的な成長戦略の一環として、同社は2021年に中国へ事業を展開し、上海、寧波、深セン、青島、天津に新しい5つの支店を開設した。

LEMAN中国の開設は、他の地域へのCargoWise導入前に、同社の新入社員と同プラットフォームを試す好機となった。

「当社には中国に支店を開設する機会があり、世界中の現地の要件をサポートできるオペレーティングシステムが必要であった。そのため、さまざまな国で程度の差こそあれ既に稼働しており、直ぐに使用できるシステムを探した」 と、Holm氏は語る。

「ヨーロッパと米国で異なるシステムを使用していたにもかかわらず、中国にCargoWiseを導入することに決めた理由は、はじめから新しいシステムを導入して試す機会があったからだ。また中国では、以前にCargoWiseを使用した経験があり、同地域での導入をサポートできるスタッフを採用することも検討していた」とStocker氏は付け加える。

海上輸送担当マネージャーであるSuki Zhang氏は、LEMANの上海本社に最初に入社したスタッフの1人であり、CargoWiseに関する豊富な経験を同社にもたらしている。

「私が前に働いていた会社は、WiseTechと大変強固な関係にあったとても大きな国際フォワーダーだった。そのため、LEMAN入社前までにCargoWiseを熟知していたので自分の知識を同社で共有することができた」。

「CargoWiseは、私がこれまで見た世界規模で使用できるシステムの中で最も高品質なシステムだと思う。過去に他のシステムを使ったことはあるが、どれも実際には1つの機能しかなかった。しかしCargoWiseに関しては、あらゆるさまざまな機能に焦点を当てている大きな開発チームがあり、すべての機能およびモジュールが同時に開発されるため、プラットフォームがますます強化される。実に完璧なシステムだと思う」。

LEMANのグループCIO(最高情報責任者)であるMorten Wegelbye Holm氏は、CargoWiseの使用経験を持つ人材を採用するという決断は戦略的なものであり、中国のオフィス全体での円滑な導入に役立ったと、付け加える。

「人材採用時には、使い慣れ操作方法を知っているシステムを実行できることが明らかに利点であることがわかる。新入社員のオンボーディングも、以前にCargoWiseの使用経験がある場合ははるかに簡単だ」。

中国での導入が成功したと判断されると、LEMANの世界中のその他のオフィスもそれに続き、2022年後半にはグローバル展開が完了した。 

CargoWiseの実装、設定、最適化のための実践的サポート

LEMANは記録的な速さでデジタルトランスフォーメーションの目標を達成できるよう、スウェーデンに本社を置き、CargoWiseプラチナ・サービスパートナーで技術、構成、実装で豊富な経験があるZinnovate Internationalと提携することに決めた。 

「当社がZinnovate社と提携することにしたのは、同社に以前、グローバル展開の経験があったからだ。スウェーデンに本社があるということは、我われの地域で同社のサービスを利用できることを意味した。また世界中のさまざまな場所で当社をサポートできるCargoWiseの実装コンサルタントの巨大なネットワークを持っていることもプロジェクト全体を通して判明した」。

「Zinnovateは、システムを導入する過程で当社のスタッフを非常に助けてくれた。導入は大変だったが、それは主にCOVIDのパンデミックにより、チームメンバーのトレーニングを現場でできなかったためだ。トレーニングをリモートで行う必要のあるさまざまな現場があったが、幸運なことに、Zinnovateにはまったく同様なことをした経験があったので、非常に上手く行った」 と、Holm氏は語っている。

デジタル化の取り組みにおける重要なマイルストーンは、米国のオフィス全体へのCargoWiseの導入であったが、2021年10月に開始して3カ月足らずで完了した。ZinnovateのプロジェクトディレクターであるTamsin Emery氏は、専属担当チームと指導者のサポートが重要な成功要因であると述べている。

「LEMANは、ビジネスプロセスの知識が実に豊富な人材を社内から引き抜き、プロジェクト期間中フルタイムでこの任務に割り当てた。彼らは同社のビジネスを知っているだけでなく、フレイトフォワーディングについても知識があった。そしてZinnovateが提供する専門知識を信頼してくれた」。

「また、その背後には導入を迅速に完了するための会社全体および指導者のサポートがあった。LEMANは、自社のチームとZinnovateのサポートにより、記録的な速さで統合システムを構築した」。

LEMAN米国のCEOであるStocker氏は「実装は本当に完璧で、直ちに当社の活動に対する可視性と理解が大幅に向上した。よって、その他の国でのCargoWiseの導入を早めることにした」。

単一のグローバル・データベースで最適化された業務

LEMANは単一のグローバル・プラットフォーム上で業務を行うことにより、データの品質と効率を向上させ、プロセスを合理化して拡張することができた。そして、かつてなく迅速に戦略的意思決定を行えるようになった。

同社の世界中のチームメンバーからは、CargoWiseが明らかに物流業界向けに構築されたシステムであり、使いやすく応答性が高く、効率的であるとのフィードバックが寄せられた。

誰もが同じデータベースを使用して作業を行うようになったため、仕出地で入力された情報はすぐに仕向地でも利用可能になり、全体的な効率と生産性が向上した。 

「データを1回入力するだけで2度入力する必要がないため、全員の時間を節約できる。皆が同じデータベースでいつでも情報を共有できるため、誰にとっても実に理にかなっている」。

「当社の経営陣にとっても、CargoWiseからレポートを実行して当社の進捗状況と成長を即座に把握できるため、大きなメリットがある。時間が節約され、経営陣は会社を成長させることにさらに集中できるようになる」と、Zhang氏は説明する。

一方Stocker氏は次のように述べている。「データを主力として顧客に合わせてカスタマイズしたサービスを提供することは絶対に必要不可欠であり、今日では我われが業界で成功するために必要な調整事項となっている」。

「生産性が既にかなり向上したことがわかっており、財務概要や会社の運営方法についての把握に関しても、CargoWiseを導入しているお陰で大幅に改善されている」。

Holm氏によると、LEMANでは既にすべてのオフィスがCargoWiseを使用しているため、今後はワークフローの自動化をさらに進めることと、より俊敏で顧客中心の意思決定を行うための細かいデータ分析が重点課題であると言う。

「現代世界の顧客が求めている洞察を提供する必要があるため、次のステップは CargoWiseを使用して、データのより深い分析とレポートを提供することである」。

「CargoWiseは、日々の業務を強化できる多くの構成可能性と多数のモジュールを備えたシステムだ。それらを活用するのが当社の次のステップとなる。我われは今、デジタル化への取り組み全体を実際に構築し、さらに前進させるための土台を築いたまでだ。したがって、ここからが本番であり、デジタル化をさらに拡大し充実させていく所存だ」。